【 いけにえもんぜんばらい 】加藤スス
喰え!喰わない!の攻防が可笑しすぎる
生け贄と大蛇の斬新ラブコメディ
人外カップルのご紹介です♡
食わず嫌いはもったいない!
ピュアなのにえっちでハマります♡
こんな方におススメ♪
- かわいらしさにほっこりしたい
- コントのような掛け合いを楽しみたい
- 健気で純粋な想いにじ~んと感動したい
えっち度
おおまかなあらすじ
111年の節目、神との契約更新を迎えた渦巻家
先祖代々続いている取り決めにより、現当主の渦巻七生は供物として献上された生贄
「この身と引き換えに約束を果たしていただきたい」花冠にハープのいでたちで御神体に向かい宣誓する七生
し—ん・・・反応が無い・・・
「我が名は渦巻七生~~~~~」
「ちょっと…うるせーんだけど…こっちは徹夜明けなんだよ!そこにインターホンあんだろ」御神体の隣にある民家の玄関ドアから迷惑そうな声がする
「え…」戸惑う七生。たしかにインターホンがある
「それに、生贄とかいらないから。これカミサマからの伝言。お引き取りください」玄関ドアにぬっと現れた大きな男が吐き捨てるように告げる
「は?まてぃ!そんなわけにいくかっ!!!俺は渦巻家の命運を背負い供物としてきたのだ!神に会うまで引き返さないぞ!」
喰い下がり家の中に押し入った七生
先ほどの大男はあきれ返りながらも七生にお茶代わりのコーラをドポドポ注ぐ
「取り乱してすまなかった。神にお目通り願いたい」と七生
「ここの主は生贄は不要だと言っている。おとなしく帰ってもらうしかない」と大男
「先祖代々続いている契約。今さら反故にするなど絶対にあってはならない!俺を受け取れ…!そして渦巻家との契約を果たせ!」大男に覆いかぶさるようになおも喰い下がる七生
「うっ離れろ…くそっ」
大男の顔が青ざめたその時彼の姿に大きな変化が・・・
七生の前に大きな大きな蛇が現れた。恐怖に体が動かない七生
『これが代々祀っていた神だと言うのか?神というよりバケモノだ』
「さっきまでの威勢はどうした?そんなになってもまだ俺の腹ん中に納まりたいと思うのか?」大蛇に巻きつかれチロチロ舐られる七生
「・・・契約は絶対だ。絶品すぎて忘れられなくなる味だろう。遠慮なく喰え」
「・・・・・やっぱりアホだろ」締め付ける力を強める大蛇
気がつくとごちゃついた部屋のベッドの上「なぜ喰わなかった!」キーキーと大蛇に食って掛かる七生
「まったく・・・いいか、よく聞け、まめつぶ。ヒトは欲の部分が一番美味しいのに、おまえの魂はからっぽなんだよ。はっきり言って不味そう」
そう言ってインスタントラーメンを啜る人型にもどった大蛇
『インスタントラーメンに負けた・・・』
感動ポイント
蛇か〜えー・・・ちょっとな〜抵抗感があったのですが、あまりの高評価に読んでみたら…
想像以上におもしろかった!
時代錯誤な人間と世の中の流れに順応しきった神とのちぐはぐ感がおかしくて笑えます
前向きすぎる生け贄の七生くんの存在がもうすごく好きです
世間ズレしてなくてピュアでちょっとおバカさんなところかわいい
喰われる事に必死なのが笑っちゃうんだけどその背景に胸が痛くなりました
自分の運命を受け入れて家族を思って生け贄として過ごしてきた16年間
自分の欲は二の次
はじめて食べた照焼きサンドに目を輝かせ、友人とのやり取りに楽しさを感じる
作った食事を美味しいと食べてもらえた、人を好きになった
ふつうの人があたりまえに持つ感情をはじめて経験して感動している七生が愛おしくて泣けてきます
そしてなんだかんだ文句言いながらも結局七生くんにべた惚れしちゃってる大蛇もいい
そして神の設定がなんとも面白い♪
蛇神様たちの俗っぽさに笑えます
神が引きこもりって!神ってなに?ってなりました
かつて喰いものだったヒトが時代の流れで隣人となり、人との関わりの中でひっそりのんびり自由気ままに暮らす大蛇神
人を愛おしいと思うはじめての感情に戸惑っているのがとても魅力的でした